承久の乱

東京大学史料編纂所教授の本郷和人氏の著者です。昨年大河ドラマで、「鎌倉殿の13人」が放映されましたが、武士を中心とした初めての政権である鎌倉幕府の成り立ちがよくわかるドラマでした。

本書は著書のサブタイトルに「日本史のターニングポイント」と書いています。天皇家が権力を持っていた時代から、武士が権力を持つ時代に変わった、ということのようです。

承久3年(1221年)、後鳥羽上皇は、時の執権 北条義時に対する追討命令を出します。朝廷は京都を拠点に西方に権威と武力を持っていて、東方で力を持ち武士たちの実質的な棟梁となっていた北条家と対立していました。

承久の乱は、あっという間に北条義時が勝利を納め、後鳥羽上皇は隠岐に流され、仲恭天皇は退位させられ、以後は北条が認める者のみが天皇に即位するようになります。

時代と共に、天皇家の位置付けが変わって行ったことは間違いありません。しかしその中においても、天皇家の血統は守られ、今日まで続いています。通常なら、政権がとって代わられれば、その血筋は途絶えてしまいますが、日本ではそうなっていません。その結果、明治維新や、太平洋戦争の終戦において、革命などが起きずに時代を引きついていくことができた重要な点ではないかと、思います。